この前、記事で「知覚」についてふれたので、
◆「シックス・センス」
思い出して、数年前買って読んだ本を再読しました。
私の書いてることに共感して、ここを何度か訪れてくれている人がいたら、
きっとこの本も興味深く読めるのではないかな!と思い、紹介します。
『ぼくには数字が風景に見える』
著者のダニエルは、ロンドン生まれのイギリス人で、
アスペルガー症候群、サヴァン症候群と診断されています。
共感覚があり、特に数字を見ると色や形や感情が浮かんでくるそうです。
知覚の仕方が大多数の人と異なる彼にとっては、
他者とのコミュニケーションも、「学習して」身につけるものでした。
私は、この本を読んで、
彼との「違い」よりも、むしろ共通点の方にばかり心を動かされたのです。
もちろん、彼の人生の歴史に刻まれている出来事や、
その独特な知覚の仕方の詳細において、彼と私とは大きく違っているのですが。
そういううわべのパッケージの下にあるもの、
感じ方の根柢に流れるものについては、
彼の書いていることが非常によく理解できて、せつないくらいでした。
「違っている」自分をじょじょに受け入れ、
ときに手さぐり、試行錯誤しながら、
自分なりのやり方を見つけ、
あきらめずに人とつながっていく彼の姿、
これはなんというのだろう…
美しい!とか、すばらしい!とかいう感情的な感想より、
私は、ただただ、
「ああ、ここにも同志がいた」
という、静かな連帯感のようなものを感じました。
そうですね、絵にするならば、
夜空を背景にひっそりと、何本もたたずんでいる、
しっかりした白い円柱のひとつを眺めているような感じです。
私自身も迷いながら進んできて、
今、思うに、
誰もが、意味があって、それぞれの知覚の仕方を携えて、
ここに降りてきた。
だから、「世の中」の方から見た、いい・悪いとか、便利か不便かとか、
そんなことは問題じゃない。
それをどう自分が方向付け、役立てるか、なんだ。
あきらめたら、そこで、終わってしまう。
自分の世界から人を排除してもだめだし、
世界から自分を分離させてもだめ。
ここで、与えられた道具を使って、感じて、
観察しながら、関わって、目的を失わずに生きていく。
そうして、
それぞれの「違い」を尊重しながら、
根柢にある「同じ」ものを見つめれば、
拡大する世界と、一体感の、両方を得ることができる。
(閉じないで、
まずは自分が自分を見捨てないで、
それは結局外を見捨てることに他ならないから。)
何ものも排除せず、勝手なラベル付けをせず、
色んな世界を知って、共に暮らそう。
……そんな思いがあります。
本が気になった人は読んでみてね!
色んな味を知ってゆく★
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