BEATS AND LOVE

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古典を楽しんじゃおう!

今日のお話は、日本神話関連…とは少しちがうのですけど、

今までの記事の流れから、昨夜、藤原氏について考えていて。

しきりに、この句が浮かんできました。


「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」

藤原道長ですね。


藤原道長は娘たちを次々と天皇に嫁がせ、権力をほしいままにしました。

藤原道長 ウィキペディア

その生い立ちを見ると、なかなかに、ガッツある方であったように思います。

ご紹介した句は、当時の率直なよろこびがあふれているようですね!


道長の生きていた平安時代は、文学の花開いた時期でした。

紫式部の「源氏物語」や、清少納言の「枕草子」。

ちなみに清少納言は、道長の兄・道隆の娘で天皇に嫁ぎ皇后となった、

藤原定子に仕える女房でした。


私は万葉集~平安の頃の文学が、個人的にとても面白いと思います。

そこで、「古典を楽しんじゃおう!」と題して、

古典を楽しく読むコツをお送りします。

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このお花は、アネモネの「オーロラ」っていうそうです。

☆☆☆

もともと百人一首が好きで、古文も好きでしたが、

とくに私が古典の面白さを実感したのは、高校生の頃でした。

当時通っていた予備校の古文の先生の説明が面白かったのもあったし、

「受験勉強」の例題で、色々な古典の一部が問題として出るのですが、

それを読むと続きが読みたくなって、ワクワクしていました。


言葉が古語であっても、その時代の人々の情緒豊かな表現はすばらしく、

書いてあるドラマは現代の私たちとあまり変わらないんだなぁ、

…と思ったりもしました。


以前、菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)の、

「更級日記」をご紹介したことがありました。

記事はこちらです→「満月と半妖、更級日記」


見ようによっては地味な作品なのですが、

ふたたびこの作品も例に挙げつつ、お話ししたいと思います。

「対訳古典シリーズ 更級日記 旺文社」
 

更級日記 (対訳古典シリーズ)

更級日記 (対訳古典シリーズ)

 

 

更級日記―現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

更級日記―現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

 

まず、古文を「古語のままで」無理して読む必要はないと思います。

それがネックになって作品そのものをスルーしてしまうよりは、

対訳、現代語訳付きの、現代語の方を読むのでいいと思うんです。


そして、もちろん当時の時代背景もあるので、

そう安易に「現代風」にすることはできないのですけど、

それでも、自分の中で遊び的にイメージをして、

「これって、今で言えばこんな感じかな…!?」と、

想像しながら読んでいくと、楽しいと思います!


たとえば、

清少納言は売れっ子エッセイスト。

ちょっと辛口な描写もあるけれど、言葉の表現が秀逸で、

独自の視点でズバッと素直な表現をするのも持ち味なのね…
とか。


紫式部は、大ベストセラー作家。

超人気ドラマや映画の次回作を、皆がハラハラ・どきどき楽しみにするように、

次作が心待ちに待たれたのね…!
とか。


藤原道綱母(ふじわらみちつなのはは)の蜻蛉日記は、「うちの夫」ブログ(笑)

夫についての愚痴やあれこれ、家庭の事情についても書いてある~!
とか。


ちなみにこの、藤原道綱母は、菅原孝標女の母のお姉さん。

つまり考標女さんの伯母さんなのですが、腹違いの、年の離れた姉妹だったので、

孝標女さんが生まれる前に道綱母さんは亡くなっているんですって。


そして、更級日記はというと…

「夢みる乙女がそのまま大人になりました。」

そんなコピーを付けたくなります。(*^.^*)


この作品の不思議なところは、ひたすら「内面を書く」に徹していて、

そりゃあ出来事もぽつりぽつりと入ってはくるのですが、

はっきりいって、物語としての「外の出来事」の起伏には、乏しいのです。


史実に基づく年表を見ると、社会的にもそれなりに色々起きていたり、

著者の身内の、近しい人々の身にもあれこれ起こっているのですが、

そういうことはほぼ、書いていないんですね。


中心となっているのは、

源氏物語を始めとする「物語」に夢中になった著者の娘時代、

なんとかして物語の続きを読みたいと(当時は写本も入手しづらかった)、

人に頼んだり、神様に願ったり…。


あぁ、私も物語の中の登場人物のように、

宮中で素敵な方に見染められないかしら…?

と、ぼんやりと夢想したり。


あるいは、

月のきれいな、皆の寝静まった夜中に、

仲の良かったお姉さんが縁側で、空をつくづく眺めながら

「ねえ、私が今突然、どこかへ飛んで消えちゃったらどうする?」

と言ってきて、ぎょっとしたり。

すぐに笑ってごまかしたお姉さんは、その翌年、亡くなってしまうのですが。


そんなさりげないエピソードが、きらりと光ります。


もちろん、著者が大人になってからの話も多く出てくるのですが、

やはりどこか現実味が薄いというか、違う世界を生きているような書き口で。

夢の話なども、ところどころに登場します。

(これは、この当時の人の話としては珍しくないのですが。)


憧れの、物語の中の姫君のようにではなくとも、結婚し、子供もでき、

「夢見る少女も大人になりました。それなりに幸せ。」

という感じのことも書きつつも、やっぱり著者は徹底して、

「自分にとっての内面的に大きな出来事」にフォーカスしているように見えます。

それが何とも不思議なテイストを醸し出していて…


私は想像するのですが、

漫画家の大島弓子さんなんかが漫画化したら、

著者やそのお姉さんは、その世界にとてもしっくりくる登場人物になりそう…

なんて思ってしまうのです。


「古典」といっても、それを書いたのは生きている人間だから…

当時の慣習や今とは違うものの見方に驚くことはあっても、

案外、とても身近な人を見ているような気分になったり、

共感したりもするものだと思います。


それに、現代人が忘れがちな感性も思い出させてくれる。

常識(スタンダード)って、こうも違っていたんだな~と、

見直すきっかけになったりね。


あなたなりの楽しみ方で…

気になる古典があったら、ぜひ読んでみてくださいね☆彡


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