寒い日が続きましたねー。
私は相変わらず好きな音楽だのインタビューだの発掘しては楽しんでます。
どうしてこうもアメリカのヒップホップ文化、特にラップ音楽やR&Bが好きなのか。
ここ日本で、ひとりマニアックな知識を深めていっても……
というのが過去の私の思いでしたが、今ではそれも消えました!
昔はもっと、趣味も「現実的に、役立たせよう」とする思考があって、
仕事に繋げようとか、何かに結実させなければ、と考えていたし、
それができないなら「のめり込んじゃいけない」とセーブする気持ちがありました。
こういう考え方をしてしまう人、かつての私以外にもけっこういらっしゃるのでは?
「こんなことしてて、何になるの?」って先に結末を考えちゃうこと、ありませんか。
でも、今の私からお伝えできるのは、
それが一体何の役に立つのかなんてわからなくても、全体像が見えなくとも、
あなたの情熱や、やらずにいられないことには意味があるんだということです。
自然な形でただ「それ」に参加させてあげてください。
一見、あなたの人生には「適さない」ように見えたとしても、
あなたが惹かれるものには、必ず何らかの役割があります。
ハートはあなたを導いていて、感覚はそれに向かっているのに、
「こんなこと、(実用には)関係ないよ…」
「私の職業に、何の意味がある?」
「自分の立場をわきまえて、こっちに集中しなきゃ」
などなど、「思考による修正」をほどこしたくなったとき、
「適さないのは、いいことかもしれない」と思い直してみてください。
見た通りの、想像できる通りの、その場に「ふさわしい」だけの、
そんな要素のみで世界が埋まっていたら、新しい道筋は生まれません。
「適さない」ように見える物事が、不思議な道筋を切り拓いたり、
何かと何かを混ぜ合わせたり、融合させたり、
新しい世界を誕生させたりするのです。
☆☆☆
今回の内容とも関連するエピソードを交えた、曲紹介です。
最近のヘビロテ曲でもあって、
私の大好きなリル・ウェインと同じニューオーリンズ出身のアーティスト、
Kourtney Heart(コートニー・ハート)とMagnolia Shorty(マグノリア・ショーティー)、「My Boy」という曲をご紹介します。
この曲は、踊れて、楽しくて、歌詞もかわいい恋愛の曲です。
コートニー・ハートは歌手で、マグノリア・ショーティーはラッパー。
ここで、マグノリアさんとその背景について説明をします。
☆☆☆
マグノリアさんは、リル・ウェイン達と同じ「Cash Money Records」のアーティストで、レーベル初の女性ラッパーだったそうです。
2010年には2枚目のアルバムを出そうと準備していたそうなのですが…
同年の12月、マイアミでのパフォーマンスに向かう直前、
何かを取りにご自宅に戻ったところを、ギャングに撃たれて亡くなりました。
28歳でした。
マグノリア・ショーティーという名前は、
同郷のラッパーであるSoulja Slimからもらったものだということです。
彼が元々、Magnolia Slim(マグノリア・スリム)と名乗っていたそう。
Soulja Slimは、2003年に撃たれて、26歳で亡くなっています。
お二人とも、「Magnolia Project(マグノリア・プロジェクト)」と呼ばれる、
低所得者を対象とした公営団地の出身で、名前はそこから取りました。
一般には治安の悪い、危険の多い地域として知られています。
その環境は、日本に住む私たちには想像しづらいですが、
たとえば、ニューオーリンズの別の地域出身のリル・ウェインは、
2013年のある番組の中で、こんなエピソードを話していました。
(※リル・ウェインについての過去記事にも、注釈や後日談を少し加えました。
◆「足並み揃える必要はない~Lil Wayneのニュースに思うこと~」 )
☆☆☆
すでにアルバムがプラチナ・アルバムの売上となっていたにも関わらず、普通の公立高校へ通っていたリル・ウェイン。
ある日、学校へ背負っていくバック・パックに銃を入れているところを、お母さんに目撃されたそうです。
最初、お母さんは、それを学校に持って行く気?と驚いて尋ねたそうですが、
「持って行かない方がいいの?」とリル・ウェインが聞き返すと、しばらく考えて、
「…そうね、持って行きなさい」と答えて、銃を入れ直したそう。
この答えから、かなり危険のある環境だということが想像できますよね。
しかも、その銃自体も、お母さんが買い与えたものだったそうです。
「必要だから」と言って。
また、その出来事の直後、お母さんは部屋に戻ってきてこう言ったそうです。
「もう学校に行く必要はないわ。
GED(※日本での大検みたいなもの)を取りなさい」と。
それ以降リル・ウェインは学校に通うのをやめ、音楽活動に専念。
GEDを取り、後に大学にも入りました(が、忙し過ぎて、別の大学のオンライン講座に変更)。
ちなみに、高校を中退したことで後悔したことは「全くない!」ということです。
余談として、私の場合は大学を中退していますが、それを後悔したことが全くないという点では、完全に同感です。
何かに適しているとき、何かには適さなくなる。
「適さない」ことをネガティブに捉えず、「それにも関わらず」自分の道を進むとき、
新しい世界を創ることができる。
☆☆☆
……と、話が広がりましたが、
そういった環境的背景を聞いてもなお、想像するのみで、実際のところ日本で暮らす私たちの多くにとっては、ピンとこないのではないでしょうか。
ただ、確実にわかることは、
危険と隣り合わせな地域で生まれ育っても、ハードな環境にいても、
アーティストとして創造性を発揮し、素晴らしい作品を残す人々がいて、
別の地に住む私たちにもそれが届く。
発信されたものは決して消えずに、誰かが享受することができるということです。
「My Boy」--Kourtney Heart feat. Magnolia Shorty (2010年)
ニューオーリンズ由来のヒップホップ音楽をバウンス・ミュージックと言いますが、
マグノリア・ショーティーは「バウンスの女王」と呼ばれていたそうです。
コートニー・ハートもかわいいですね。
この曲は、コートニーさんの「Eye Dee Kay」というアルバムに入っていて、
iTunes storeなどで、この曲だけを購入することもできます。↓
曲が気に入った方は、ぜひ、一緒に踊ってみてください!
☆追記…この「My Boy」の曲の始まりに、「He loves me, He loves me not」というコートニーちゃんの台詞がありますが、
これは普通に解釈すると、花びらをちぎりながら行う恋占いのときの決まり文句なのです……が、
この記事を書いた後に、Soulja Slimの曲の映像を検索して聞いてみていて、
彼が最後に撮影した曲が「Love Me or Love Me Not」だったとわかりました。
もしかすると、この冒頭の台詞はSouljaさんへのトリビュートだったのかもと、それで気づいた次第です。
★スピリチュアルカウンセリングその他メニュー★