前回の記事では「自己を思い出すほど軽さが増していく」という点から、現実との向き合い方に言及しましたが……
今回は、「現実に導かれる」。
これまた、あなたがひとつの自己として、自己内での連携が取れれば取れるほど、
そして、自分の意識によって自分の現実を創造しているという認識が定着すればするほど、
実感が深まるであろうお話です。
一般的には、現実の経験……自分の体験する出来事や他者の動向なども含めた状況は、自分の意識の意図を超えたもの、自己の「外のもの」としてあり、自身の思惑とは関係なく起こっていると捉えられていることが多いですね。
一方で、そういった集合的観念とは袂を分かち、「自分の意識が、自分の現実を創っている（選択している）」と認識している人も多くいます。
あなたがその自覚を持つと、ちょうど「自分の見ている夢であると気づいている夢」、「その気づきを保ったまま活動できる明晰夢」と同じように「現実」を眺めるようになります。
「現実」は、あなたの外で起こっているのではなく、
自己の意識の中で「映し出されている」現象だとわかるのです。
明晰夢でも予想外の展開は起きるように、この現実においても、あなたの認識している範囲で「全てを理解し、把握している」ということはありません。
それでも、現実が自己の意識内で起こっている現象だとわかっていれば、
現実との一体感や親しみ、信頼が生まれてくるほか、「現実という形で表されている自己の心」や、「より多くを知っている自己からのメッセージ」をキャッチするようになるのです。
現実には確かに、あなたを「導く」要素があると言えます。
ただし、その導きは、あなたがそれに「気づこう」という姿勢を持ったときに、はじめて効力を発揮するのです。
つまり、「宝の持ち腐れ」というように、当人が現実をそのように活用しないのなら、現実は依然として「関係ないもののように」存在し続けるということです。
これについては「夢」も同様です。
あなたが夢という現象、意識が示してくれている雄大な世界をただ無視するのなら、夢はあなたにとって、「睡眠中に起こる生理現象」などのように解釈され、それ以上のものにならずに終わるでしょう。
ところが、普段からあなた自身の心・意識の状態と、夢とに注意を払うなら、そこに関連性を見出すことはもちろん、自己の意識が、常に「いかに素晴らしくバランスを保っているか」ということにも気づき、その叡知や素晴らしい力を実感するのです。
すると、結果として、あなたの人生に対する姿勢、生き方といったものはどうしても、
「自然とポジティブ」にならざるをえません。
これは、前回の話題にも通ずることですが。
そのような「善きもの」、頼りになる力が根本にあるとわかっている以上、ネガティビティーに興じることや、それをベースとした観念を本気で信じることは非常に難しくなるのです。
「現実」という形で自分の意識が示す導きを、リアルタイムで自身の心（感じることや考えていること）も認識しつつ、その双方の模様を「両側面を持つ鏡」のように同時に眺めるなら、あなたは力強い道具を手に入れたようなものです。言うなれば、これこそが秘宝です。
しかも「現実が導いてくれている」という要素を認めれば認めるほど、その道具は力を増し、さらにあなたにとって協力的になるのです。スムーズになるのです。
それは、あなたの意識のすべてが同じ方向を向くようになるからです。
一貫性を持つからです。
あなたの使い方次第で、あなたの意識の力は、友にも敵にもなります。
ただし、“敵”の使い方をしても、結局、自己内で自分同士を分裂させて闘う夢にたとえることができます。
現実を敵に回さず、現実に導かせてください。
それを手がかりに、あなたの内側をも確かめてください。
「源」にあるのが自分の意識で、現実はそれを忠実に映し出してくれる「従者」です。
自分では「まだ」気づかなかった、かすかな波紋をも、現実はちゃんと“鏡”として映し出し、その内容を知らせてくれます。
これほど役立つ「味方」、頼もしいアイテムが、私たちにもれなく授けられているのですね。
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