同日付の前回の記事(◆「裸の王様」)で、「嘘」という言葉を出しました。
「嘘」というのは、私たちにとっては、
あまり気持ちのいい言葉ではないですね。
なんだか悪いことのように感じるからです。
でも、私はそれを裁く意図はありません。
それより、私たちにとっての「苦しみ」の正体をお伝えしたくて書きました。
私たちが目にする「愛しさ」を、ときに覆ってしまう幕として、書きました。
ちょっと前、◆「情報断食のススメ」という記事の中でもふれたことですが、
私たちは、自分の気づきたくないこと、直面したくないことから、
目を逸らすために、外のものを使うことがあります。
☆☆☆
ある種の依存症や心身症はもちろんのこと、
世間的にはとくに症状があると判定されていない人だって、
そういうことをしているのかもしれません。
自分の感じていること、本当の気持ちを麻痺させるために、
外のものを使うのです。
心の奥にあるものが、怖いからそうします。
きっと、自分には耐えられないものだと信じているからそうします。
現実には、それは、その人にとっての宝以外の何ものでもないのですが。
自分の中にある「怖れの壁」に気づいていないとき、
私たちは外のものを代用して、それで仮の安心をつくります。
依存症、心身症と呼ばれる症状を抱えていれば、
それがお酒だったり、食べ物だったり、煙草、物、お金、体、恋愛、娯楽、
社会的地位に他者への執着、過度に清潔・あるいは不潔であること、…
えっと…あれ?
これって、度合いが違うだけで、皆、似たようなものを抱えてない?
この世界って、そんな感じのことがたくさんあるんじゃない?
それじゃ、一般に言われる病気の人たちって、病気なんでしょうか??
ああそう、他の人たちより極端であること、
バランスが取れていないということで、病気と判定されるんですね…。
ということは、裏を返せば、
そういう人たちは、「自分をほどほどにごまかすにはきつすぎる」ほど、
内にある真実を強く感じているのかもしれませんね!
そういう人がいることで、
その姿を目にすることで、周りの人たちも何かに気づく…
そんなことって、あるのではないでしょうか。
私たちは、お互いが、お互いの、天使なんですよね。
☆☆☆
自分が何かをごまかしているとき、
その人は、つらいのです。苦しいのです。
苦しいけれど、他にどうしていいかわからない、
自分がなんでそうなっているのか、表層意識では自覚していない、
だから、同じように見える「逃避」を繰り返すのです。
このとき、本人は、どんなに「好きでやっている」ように見えても、
心の底からは楽しくありません。
「これでいいんだ!」と息巻いていたとしたって、
心は泣いているのです。
では、もし、自分に思い当たることがあったとしたら…?
できることはなんだろう?
それは、「無意識にやっている」行為を、意識化することです。
もっと簡単にいうなら、何かをしているとき、その都度、
自分の感じていることに注意を払うことです。
自分にとって、本当は負担になっている習慣や癖があるとして、
それをしている最中に何を感じているのでしょう?
安らぎを求めている、
安全な場所を求めている、
自分を守りたい(切り離したい)、
頭をからっぽにしたい、
ここから気を逸らしたい…
たいてい、
「今、ここから逃げたい」
「現在の自分から意識をそらしたい(あるいはそれを覆い隠したい)」
という衝動を、感じているのではないでしょうか。
それは無感覚になりたい・麻痺させたいという試みです。
どこかに、感じるのを避けたい不安(怖れ)をみとめています。
「今、ここ」が安全な場所でなくなっているというのは、
「嘘の自分」の介入、
スピリットとのズレを自覚しているということです。
そうか、それじゃ、すでに「自覚」できているんだ…
本当は自分で、わかっているんだね。
だから、そういう状態になるんだ。
だけど、繰り返される、元の状態に戻ってしまうということは、
外の物事や、いつもしていた「行為」は、結局あなたを満たしてはくれない
ということだよね。
それだったら、勇気を出して、その都度
「感じている自分」から回り道せずに、そのままダイレクトに認める
方がいいですね!
☆☆☆
あなたの中に、隙間ができたとき、
スピリットが顔を出します。
いつもの習慣に手を伸ばしかけたとき、
「ん?…はて、これで、本当に私は満たされるのかな?」
心を、ほんのいっときでも自分への質問でポーズ(一時停止)したならば、
あなたの内面は変化します。
変化せざるをえません。
あなたが、直接、「見て」しまったからです。
気づいてしまったからです。
あなたが自分の選択を自覚して何かを行ったとき、
あなたは「別の選択」も可能であることに、目覚めてしまいます。
それを許可できることに気がつきます。
その先は、あなたの完全性が前面に出て、自然な作用が、あなたを癒します。
ですから、まずは、
すべてのことを…あなたが嫌っている一面でさえも、
ほんの少しの間、罪悪感を棚上げして、
自分の感じていることに注意を払いながら体験してみてください。
「またやってしまった…!」
ではなくて、真剣に味わうのです。
そしてその、あなたが苦しいと思っている要素ですら、実は、
「あなたを助けようとするために存在している」ということに、注目してください。
出てきたそのパーツに、「ありがとう」と言ってみます。
目を逸らす、逃げる、それを抹殺しようとするのではなく、
感謝して、慈しんで、積極的にそれと関わってみるのです。
それらは、幻想の怖れから、あなたを守ろうと武装してくれた兵士です。
武装をといて、もとの楽な姿に戻す命令を下せるのは、あなたです。
「いままで、ありがとう。
助けてくれて、ありがとう。もう解散していいんだよ」
魔法がとけると、その下でずっと待っていた、
あなたの「すべて大丈夫な自己」が顔を出します。
大きな自分が抱擁すると、あなたの怖れはやわらかくほどけて、
愛の中に溶けてしまいます。
それでは、また次回お会いしましょう☆
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