BEATS AND LOVE

スピリチュアリティー、根本の癒し、ヒップホップ音楽とライフスタイルや考えあれこれ

祝リル・ウェイン「Tha Carter V」リリース!BET Hip Hop Awards スピーチも解説。

「祝リル・ウェイン『Tha Carter V』リリース!BET Hip Hop Awards スピーチも解説。」とタイトルをつけた今回は、ラッパーLil Wayneや音楽の話題と絡めながら、私が気づいたことのあれこれを書いていきます。

一周回って結局、胸に響くもの。

この秋、私に起こった変化で、予想外のことで驚いているのが、昨年から再燃していたR&B熱が思わぬ方向へ展開したことです。

R&Bについて、去年はまずこちらの記事でふれて、
「音楽てんこもり。~R&Bの好みを振り返る編~」

beats-and-love.hatenablog.com

その直後、こんな記事も書きつつ、ときどきR&Bの話題を出していました。
「ラップのLyricsを理解するのに便利なサイトと、R&B愛復活の兆し」

beats-and-love.hatenablog.com

けれども、文中に記した通りこの時は、昔私が最も好きだったR&BグループJagged Edgeに関してはもはや懐かしさだけで、今自分に響く音楽ではないと感じていました。

かつて購入したCDアルバムやDVDは手もとに残してありましたが、それらは過ぎ去った一時代としての位置づけだったのです。

ところが、比較的最近のこと、突如として10年以上ぶりに手持ちのJagged Edgeのアルバムを聴き返したくなり、そうしてみると「時機が来た」というのでしょうか、以前と同じ熱を持って自分の心に響くことに、とても驚きました。
まさか一周回って、またここに戻ってくるなんて!?
と、半信半疑で、私が彼らの新譜を購入しなくなってからの曲(過去にも試聴だけはしていた)をもYouTubeで探して改めて聴いてみると、やっぱり心地よく胸に響くのです。

こんなことってあるんですね。まるで、昔の感覚が戻ってきたかのよう。
詳しくはまた別の機会に記事にしたいと思いますが、早速、私が持っていない近年の3枚のCDアルバムのうち、惹かれる曲が入っていた2枚を注文しました。
これほどのブランクを経て、ゆっくり時間をかけてでも、彼らのアルバムはコンプリート(全部購入)する運命にあるのでしょう(笑)

Lil Wayneにも嬉しい動きが。

こんな風にR&Bの豊かな世界に胸ときめかせているうちに、私の最愛のラッパーLil Wayneの方でも嬉しい動きがあったのでした。

2017年のLil Wayneのお誕生日には、こんな記事を書いていましたよ。
「Lil Wayne生誕祭(9月27日)記念!彼の歴史を振り返り、個人的にはまっている曲をご紹介。」

beats-and-love.hatenablog.com

それから1年後の、今年のリル・ウェインの誕生日には、完成していたにも関わらず4年もの間発売が延期されていたアルバム、「Tha Carter V」がついにリリースされました!

公式の特設サイトはこちらです。様々なプレーヤーからの試聴コーナーもあります。
「Tha Carter V」

www.thacarterv.com

購入したCDは入荷待ちの状態で、私のもとにはまだ実物が届いていませんが、聴くのが楽しみです。

アルバムがなかなかリリースされなくても、決して作品を創り続けることを止めず、たくさんのMixtapeで私たちを楽しませてくれたリル・ウェイン

現地で10月17日に放送されたBET Hip Hop Awardsでは、「I Am HipHop」賞を受賞し、印象に残るスピーチを行いました。

★BETとは、Black Entertainment Televisionの略です。
ブラック・エンターテインメント・テレビジョン - Wikipedia

12歳のリル・ウェインが自身を撃ったとき、命を救った警官への感謝と、Refuse(拒絶する)にフォーカスしたスピーチ

そのスピーチの模様は、こちらの動画で見ることができます。

★Lil Wayne's Near-Death Experience--Hip Hop Awards 2018

リル・ウェインの後ろには右側に娘さん、左側にお母さんが立っていて、この2人を含む家族のメンバー全員に感謝を捧げつつ、「Refuse」※という言葉を繰り返すスピーチをしました。
※拒絶する、拒否するという意味。強い意志で何かを断ること、受け入れないことを含む。
たとえば、「私(Lil Wayne)をサポートすることを止めることを『拒絶』してくれた方々に、この賞を捧げます」といった具合に(ストレートに言うならば、サポートし続けてくれた人々を指す)、「それ以外のものを拒絶する」といった形で人々の行為を表現し、列挙していったのです。

中でも印象的だったのは、以前は「事故」とされていたリル・ウェイン12歳のときの出来事、母親が保管していた銃を使って自分の心臓をめがけて撃った自殺のときに、彼の命を救った地元ニューオーリンズの警官、Uncle Bob(愛称:ボブおじさん)について語ったことです。

白人であるボブさんを讃えることは、自身の経験に「人種差別はない」というリル・ウェインの信条を再び公言し、その見方をシェアしているということ

実はそれが自殺未遂だったということは、4年前に出るはずだった「Tha Carter V」内の曲で明らかにされているのですが(「Let It All Work Out」という曲が該当)、なかなかリリースされなかったために、時差が生じてしまいました。
2014年にはリル・ウェインはすでに、真実を語る準備ができており、曲にすることで公表していたのです。

真実は事故ではなく、「ラップすることを禁じる」母と口論になった後、家に誰もいないときに自殺をはかったという出来事だったのでした。
誰かが銃声を聞いて電話をかけたのか、詳細は定かではありませんが、通報によって警官たちがリル・ウェインの家のドアを蹴破って中に入ってきました。

ところが、血の海の中で横たわるリル・ウェインを、黒人警官たちはまたいで行きました。
彼らは死にかけているリル・ウェインを助けようとしませんでした。
それより、銃やドラッグのありかを探していたのです。

しかし、当時殺人課の刑事であり、非番だったが駆けつけたビルさん(白人男性)ただ一人が、リル・ウェインをそのように見殺しにすることを「拒否しました」。
彼はリル・ウェインに駆け寄り、救急車ではなく車に乗せて病院まで付き添い、彼が一命を取り留めるまで、その場を去ることを「拒否しました」。

この実体験は、リル・ウェインが2016年に「人種差別というものはない」と発言したり、「Black Lives Matter」運動に共感しないと述べたことと繋がっています。

そのときの様子は、以下の2つの記事で書きました。
「足並み揃える必要はない~Lil Wayneのニュースに思うこと~」

beats-and-love.hatenablog.com

「信じたものを現実にするゲーム~Lil Wayneのニュースに思うこと2~」

beats-and-love.hatenablog.com

リル・ウェインは、その騒動の後、発言の真意や背景を説明していたようです。

「Lil Wayne reveals white cop saved his life when he was shot aged 12」
(Daily Mail オンライン2016年10月14日の記事より)

www.dailymail.co.uk

ここで再び、ボブさんに言及することで、彼は自分の「ものの見方」を人々にシェアしていると言えます。

「Refuse」を使ったスピーチは、終盤ではこういった内容になりました。

現在に至るまで、ボブさんと何度会っても、ボブさんはリル・ウェインが食事をご馳走することも、ウェイトレスやウェイターに払うチップを出すことも、どんな風に御礼をしようとすることも「拒絶する」のだと。
今では両足が義足となっているけれど、決して「(前に進むことを)止めず」、車椅子も使わず歩き続けているボブさんに、「どんな方法でもいいから、あなたの力にならせてほしい」と望みやほしいものを尋ねたところ、彼は唯一、「仕事」を求めたそうです

そして、リル・ウェインはこうしめくくりました。

「ファンの皆さん、家族、BETのご支援してくださった方々、ボブおじさん、そしてあなたへも……私は『止まる』ことを『拒否』します。ありがとう!」

英文記事でこの内容を読みたい方へ、リンクを複数載せておきます。

「At the BET Awards, Lil Wayne Gives an Emotional Tribute to the Man Who Saved His Live After His Suicide Attempt」

www.yahoo.com

「Lil Wayne addresses suicide attempt, near-death experience in BET speech」

globalnews.ca

何かを選択するとき、何かを拒否することを恐れない

さて、私は記事を通しても、創造という観点から「選択の力」について度々お話ししています。

あなたが何かを選択するとき、それ以外のものを「選ばない」ということに気づいていますか。

たとえば、あなたがある生き方を選ぶと決めたなら、それ以外の生き方を、自分の人生としては「拒否する(受け入れない)」ことになります。

「肯定」の力を発揮したいのなら、「否定」の力についても知ることになります。

「NOを言うこと」が苦手と感じる人もいるでしょうが、あることを本当に選びたいなら、それ以外のものにはNOを言うことになるのだと、実体験として知る機会は多いはずです。

リル・ウェインのスピーチは「Refuse」にフォーカスしていました。

あなたが、あなた自身の心からの思いに沿って生きるなら、それ以外を「Refuse」する勇気はありますか。

心をクリアーにしたいとき

最後に、リル・ウェインが今月出演した番組から、面白いところをかいつまんで紹介して、この記事をしめくくります。

★「Lil Wayne Talks Tha Carter V and Memorizing His Own Song Lyrics for Performances」

ジミー・ファロンの「ザ・トゥナイト・ショー」という番組で「Tha Carter V」の発売が取り上げられ、アルバムに収められた曲のライブも行いました。

番組内でリル・ウェインと司会のジミーは、こんなやりとりをしています。
(以下、要約。Jはジミー、Lはリルウェイン。)

J:「このアルバムは、どうして発売されるまでに4年もかかったんですか?レーベルとの間で法的な問題でもあったの?」

L:「そうですね。まぁ、わかるでしょ、ビジネス※ですよ。」
※ビジネス、取引等を指すほかに、厄介事という意味もある。この場合はあえて、ざっくりした表現でぼかしている。

(会場、笑い)
J:「まあ、そうなんでしょうね(笑)」
(略)

J:「レーベルから離れることができなくて、フラストレーションが溜まりませんでした?それとも、それについては話すこともできないの?」

L:「(「それについてはビジネス」と再び答え、会場に笑いが起こりつつも、)アーティストとして、毎日自分がしていること、作品の中にとても深く入っていくんです。あまりにも没頭しなければならないときには、他の人に(ビジネスの)業務を担当してもらうんですね。その人がすべて台無しにしてしまうと、もめごとが起きて、今度はその後始末をしなければならないというわけなんです。」

(アルバムが出ない間の4年間は、何をしていた?という質問に対して)

J:「ずっと仕事していたんですか?」

L:「毎日スタジオに行って、もちろん仕事もしていたし、スケートボードもしていたし。スケートボードが好きなのでね、それに私は4人の子供の父親なんですよ。」

(略)

J:「どうしてスケボーが好きになったんですか?」

L:「ひとりで、時間を持て余しすぎていたからですよ。座って、毎日テレビを見て……それで偶然、子どもがスケボーをしている番組を見たんです。その番組を毎日見るようになったんですが、その子がいかにスケボーを楽しんでいて、そのことだけに没頭し、他のことを考えていないかを観察するようになりました。
世界が彼の左側で爆発してたって気づかないでしょうね、私が今、手で示しているのは自分の右側だけど……(笑)」

そうして、「今自分が集中していること(ラップ)以外に、俺にもそんな風に集中できるものが必要だ」と思ってスケボーを始め、そこからはまったというリル・ウェイン

J:「それじゃ、スケボーをすることで雑念を空っぽにすることができるんですね?」

L:「ええ。そうしないと、もしボードの上で他のことを考えていたら、ボードがそれを教えてくれますからね(ミスや転倒、ケガをするということ)。」

J:「そうでしょうね!」
(会場、笑い)

リル・ウェインがリリックを紙に書かないことに、話題は移っていきます。

J:「あなたが百万曲以上、もしくはほぼ百万曲(のリリック)を書いたということをどこかで聞いたのだけど、そんなの不可能ですよね?」

L:「それは正しくないですね。私はリリックを(紙に)書きませんから。」
(会場、笑い)

紙に書き留めるということをせずに、どんな風にリリックを作っているのか、リル・ウェインに確かめた後……

J:「ライブをするとき、どうやって自分の曲を覚えるの?」

L:「あなたがた(テレビ局の人たち)はすごく親切で寛大だから、私のリリックを紙にタイプして渡してくれて、ステージの裏でたった今、それを勉強するんですよ(笑)」
(会場、爆笑)

おもむろにジミーがこの番組の、リル・ウェインのリハーサル風景のパネル写真を取り出し、

J:「これは本物ですよ。これはあなたが自分のリリックを読んで、今夜のライブに備えている姿です(笑)
面白いですね、私は今までこういうやり方を取っている人、聞いたことありません。」

書かないことで生じる困難について、リル・ウェインは……

L:「書かないということは、リリックを何度も見て、学校のテストみたいに暗記するということができないんですよ。次の曲を作り始めると、次の考えに移ってしまう。すると、前の曲が何についての曲だったかも忘れてしまうんです。もう、それについては考えていられない。自分のすべてを次の曲に注いでしまうから。」

J:「わぁ。すっごく楽しそうですね。それで、すべてを忘れてしまうためにスケボーをするの?」
(会場、笑い)

L:「すべてを忘れるためには、他のこと(スケボーじゃないこと)をしますね……ま、でも、それはちょっとね……(笑)」

そしてこの動画は、「Tha Carter V」のアルバムを紹介して終わります。

エネルギーのバランスを取る作業、あれこれ

ここで紹介した動画では、リル・ウェインはラップのほかに、趣味のスケボーに集中することで雑念をクリアーにしているということを述べていますが、人それぞれ「エネルギーのバランスの取り方」は様々にあると思います。

先述のように、ラップができないくらいなら、死んだ方がまし!ということを行動にまで移していた生い立ちのリル・ウェインであっても、いくらラップが彼のメインの情熱であるとはいえ、もし、それだけずーっと24時間毎日していると、エネルギーバランスが偏るということです。

私の場合、リル・ウェインのスケボーに該当するものというと、ピアノです。
ピアノを弾きながらあれこれ別のことを考えていても、スケボーと違い転倒やケガはしませんが(笑)、演奏がめためたになります。そういうときの音は、自分で聞くに堪えません。
それゆえ、一心に集中する良い修練になる上、そのように心をからっぽにしてピアノを練習した後は、エネルギーバランスが整うのを感じます。

それは、自分の生き方であるスピリチュアリティーへのフォーカスのみに没頭していては得られないバランスです。

最近になって、ピアノの演奏を含む芸術的なあれこれは、実は自分の「メイン」の情熱である、スピリチュアリティーという柱を補助しているものなのか……と気づいたばかりです。
これはまた機会があれば書きますが、自分には意外なことでした。

何かひとつを「メイン」に定める必要はないのですが、人生において自然と、いつのまにか自身の「柱」になっているものは、どうしても出てくるものかもしれません。

そうした気づきがあったばかりでしたので、今回のリル・ウェインのスケボーの話はタイムリーで興味深く見ていました。

かつて、別の番組で「リリックを紙に書かないのにどのように覚えているか」に言及されたときには、違った説明をしていたリル・ウェインですが、
(その内容を掲載した記事はこちら)
月食と、Lil WayneのMixtape第2弾『Dedication 6 Reloaded』が素晴らしいこと。」

beats-and-love.hatenablog.com

今回の答えは、人間味あふれていて等身大でしたね。
リル・ウェインの、肩ひじ張らない成熟を感じます。

人間の色んな目線を楽しむ

ちなみに、私は音楽動画のコメント欄(アメリカのアーティストの動画中心なので英語)を見るのもけっこう好きなのですが、先に紹介したBET Hip Hop Awardsの動画では途中、観客席で立ち上がって拍手するバスタ・ライムズ(ラッパー)の姿に、ちらほらとコメントが寄せられていました。

バスタ、後ろ姿が、でかい!
というような感想から、バスタに注目している人が複数……。
私も微妙に気になっていたポイントでしたので、他国の人たちもそこにコメントしたくなるのかと面白かったです。
ラップ好きとしては、授賞式の観客席の顔も、どんな人がどんな様子でいるか、親しみを持って眺めてしまいますね。

2つの動画の翻訳・解説、果たしてどれだけニーズがあるのかわかりませんが、どなたかの心に響くところがあれば幸いです。


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