人生の中で、何かを「リセット」したくなるときがあると思います。
あるいは、意図せずして、何かが振り出しに戻ってしまったような、
「リセットされてしまったような」気持ちになることもあるでしょう。
でも、どんな状況でも、「すべてが無になる」ということはなくて、
「新しく始めるようでいて、継続していること」が必ずあります。
手放すことと、継続のバランス。
あなたの中で、何かを完全に新しくしようとしても、
これまでとはまったく違うことに着手したとしても、
やはり、「すでに培ったものが役立つ」ことを発見するでしょう。
何もかも捨てて一からやり直さなきゃならない！とか、
まったく違うジャンルに挑むので不安だ！というときにも、
「あなた」という存在の中で継続しているものがあることを、
思い出してください。
そのような視点で見ると、実際に、現実の状況の中でも、
「今目の前にあるもの」が思いがけず役立つとわかるのです。
☆☆☆
精神世界やスピリチュアルな分野の中では、
「この世界（この現実）から出て行く」
というようなゴールを設定していることがあります。
あたかも、この現実から「抜ける」ことが可能であるかのように。
これも、ある種の「リセット」願望であるかのようにも思えます。
この世界と何も関わりのない者になりたい。離脱したい。
煩わしいことはすべて無かったこと、「関係なかった」ことにしたい。
でも、あなた自身が定めた寿命が尽きるまで、
去ることをあなた自身が決めるそのときまでは、
あなたはこの現実の経験をすることが望ましいと判断しており、
自らここにいるのです。
それは言い換えれば、あなたはこの現実で何かできることがある、
まだ経験したいことがある、と知っているということです。
日常において「あなたが自覚している自分」よりもさらに深いところで、
あなたはそれを知っています。
そのことを忘れて、ただこの現実を軽んじても意味はないのです。
“リセット”してしまいたくなるその前に、
あなたの深層に耳をすまし、
今、目の前に、あなたが見逃している「価値」はないか、
まったく異なるようでいて次の動向に活きる、「継続」しているものがないか、
目をこらしてみてください。
それは必ずあるからです。
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