BEATS AND LOVE

スピリチュアリティー、根本の癒し、ヒップホップ音楽とライフスタイルや考えあれこれ

善意と思うことはおそろしい(映画「バットマン・ビギンズ」を振り返る)

今日はふと思ったことを書きます。

これは個人の素直な感想なのですが、
「善意と思うこと」って、おそろしいなーって思うんです。

説明すると、

善意そのもののことではなくて、
本人が、「これは善意」と思って何かしてる、っていうのがこわいなって。

純粋に内から湧いてくるから、やる。
そうしたいから、する。

これだけのことと、善意と思って何かすることとは、
大きな違いがあるのではないかなー、と、思ってしまう。

☆☆☆

そうそう、ちょうどこの話に関連して書きたい話題があります。

この間、何年も前の公開時に映画館で観たきりになっていた、
バットマン・ビギンズ』のDVDを観たんですが。
 

 バットマンの最終話、映画『ダークナイト・ライジング』を見て書いた記事、
「仮面をつけないヒーロー」のときからずっとレンタル待ちでした 笑)

beats-and-love.hatenablog.com

以下、これから見る予定の人は、ネタバレ注意です


久しぶりに見てみると、なんだか昔はかわいらしく見えた、
ブルース・ウェイン(主人公/バットマン)の幼なじみ、レイチェルに、
私は違和感をおぼえたんですよねー。

もちろん、レイチェルはレイチェルの人生で、立派だと思います。
彼女はゴッサム・シティを腐敗から救おうと正義に燃え、
実際に行動している検事なのですから。

レイチェルの毅然としたセリフや態度も、彼女らしいのでしょうし。
それは実際、ブルースを鼓舞したのでしょうし。

ただ、以前は気づかなかったが、
「絶対的な正義」を固い信念として持っている人って、
どうも私にはおそろしいな、って。

ブルースの内面の葛藤が、この人には本当の意味では、わからないのでは?
と、はじめて思ったりしました。

(彼がバットマンだと知って、あらためて彼に寄り添うかに見えながらも、
「私の愛した人は帰ってきていない」とブルースに言うあたりは、
ある意味では、核心を突いているなとも思いましたが。)

もし、レイチェルがシリーズを通して死なずに生きていたとしても、
ブルースの伴侶としては、実はもともと合っていなかったのかもね…、なんて。
(本人も途中でブルースを振っていますし。)

あくまで、クリストファー・ノーラン監督の、
バットマンシリーズ3部作の世界観の中での感想ですが。


クリストファー・ノーランバットマンシリーズは、
「何が正義か?」つねづね問いかけてくるようなところがある気がするのです。

少なくとも、ひとつの視点にとどまってはいない。

バットマンは確かに「行動する」人物だが、
生身の人間として葛藤がないかというと、おおいにある。

彼は街のためであると同時に、自分という人間、個人のためにも、
バットマンをやっていたのだと言える。
(その生い立ちからして…詳しくは省きますが。)

それはそれで、純粋なもの。
個人の内から湧いてくる思いと、他者への思いがイコールになる瞬間。

人から見たら、「どうしてそんなに。」「それは自己犠牲では?」
と思うことも、本人の中ではそうではない。

もちろんレイチェルとて、そう言えるだろうけど…

2人のここが違うな、と思うのは、ブルース(バットマン)は、
自分が善だ、などと思っていなかっただろうな、という点である。

その意味で、彼を「正義の味方」という括りには入れられない。

ついでにいうと、2作目「ダークナイト」で、
レイチェルが選んだ婚約者、ハービー・デントが、
(彼は光の騎士、 White Knightと呼ばれる。バットマンは闇、 Dark Knight)
正義感に燃える検事であったのに、つらい体験からほころび、
一転して、復讐の鬼になってしまったのは象徴的だと思います。


ブルースは、自らそのキャラクター(バットマン)を誕生させる以前から、
「悪」と言われる立場から見た目線、その世界、そこから無縁な人物ではないのですね。

自分の闇も、とくと見ている。

ただ、どん底に降りながらも、彼はそこにもあった「集団」や、
「組織の倫理」、「そこでの正当性」に染まらず、違う表現を模索し、
自分の中で「それは違う!」と思ったことにはNOを言っているのである。


そしてやっぱり、ビギンズから見直してみると、
ダークナイト・ライジング」の結末や、そこに出てきた、
過去の履歴を消去する「クリーン・スレーター」というキーワード、
すっごく興味深く、ひとつにつながりました。

私には、ブルースが「自分のバットマン」を完結させ
(それはしっかり、街のみんなとの共有アーキタイプとして、
心に生きる形での締めくくりになったのだけど)

仮面の要らない…統合された「自分自身の人生」に、
移ったように見えたのです。

過去という亡霊、そして自分に影響を及ぼしていた思い込み・信念から自由になってね。

それはずっと執事アルフレッドが望み、
ブルースに語りかけていたことでもあったのですね。

私は、ブルースにとってのアルフレッドの存在は、
いわゆる「守護天使」のようだな、と思います(笑)

☆☆☆

さて、

善意でこうしている(善行をしている)…と自分が思っている間は、
それが本当に純粋なものかどうかは疑問であると思うのであるが、
いかがでしょうか。

そうせずにはいられない、
ただそうなっている、
自分がそうしたいので、させてもらってありがたい、

こういう感覚の方が、私には自然なものと思えます。


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